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小3の壁(小4の壁)とは? どう乗り越える?

更新日:2 時間前

小3の壁 小4の壁

 「小3の壁」とは、子どもが小学3年生頃になると、保護者の仕事と子育ての両立が再び難しくなる問題を指します。小1の壁が「小学校入学による生活時間の急変」だとすれば、「小3の壁」は、子どもの成長に伴って放課後の過ごし方や学びの質が変わり、これまでの支援だけでは足りなくなってくることで生じる壁です。見た目には少し親の手が離れたように見える時期ですが、実際には新たな難しさが生まれる転換点でもあります。


 なお「小4の壁」という言葉もよく聞かれますが、これは小3頃から始まる課題が小4以降でさらに表面化・深刻化するケースを指すことが多く、本質的には同じ現象の延長線上にあると考えられます。よって本コラムでは、「小3の壁」に表記を統一して進めます。


この記事でわかること

・小3の壁(小4の壁)とは?その原因について

・「小3の壁」は、母親の悩みと、子どもの悩みが同時発生する

・「小3の壁」に対して、家族が取るべき行動とは

 

目次

1 放課後学童が利用しづらくなる

 1.1 小3,4年生の待機児童が最も多い

 1.2 中高学年には物足りない学童時間

 1.3 社会や会社では、小3は自立していると見なされる? 

2 学びと成長の転換期を迎える

 2.1 学習面の転換期

 2.2 子どもの心の転換期

3 小3のマミーギルト

 3.1 子どもとの関わり方が複雑かつ難しくなる

 3.2 仕事との両立の悩み

 3.3 正解のない子育てについて判断しなければならない

4 まとめ



放課後学童が利用しづらくなる

 まずは、「小3の壁」の物理的な問題である学童保育について見ていきましょう。


■放課後学童は、小3,4年生の待機児童が最も多い

 小学3年生になると、子どもは低学年の頃よりも行動範囲が広がり、自分でできることも増えてきます。そのため、周囲からは「もうある程度は一人で大丈夫」と見られがちです。

 しかし実際には、まだ生活管理も感情のコントロールも発達の途中にあります。留守番ができそうでいて不安定、友人関係は広がる一方でトラブルも増える、学習内容も少しずつ難しくなる。

 つまり、手がかからなくなったように見えて、実は支え方の質を変えなければいけない時期なのです。


 この時期に起こる大きな変化の一つが、学童保育との関係です。

 小3以降になると地域によっては定員の都合や運営上の優先順位により、低学年より利用しづらくなるケースが少なくありません。子ども家庭庁が毎年発表する「放課後児童健全育成事業の実施状況」によると、学童利用を希望したにもかかわらず落ちてしまった”待機児童数”は、小学3~4年生が最も多く、小学1~2年生の2倍を超えています。


■中高学年には物足りない学童の時間

 また、学童そのものが中高学年の子どもにとっては物足りなく感じられることもあります。


 お兄さんお姉さんは「もう1人で過ごせるでしょう」といって、ただでさえ人手不足の学童指導員は、意識を小1,2年生に向かざるを得ない。かといって、子どもが自分たちで主体的に楽しく過ごせるだけの教材や環境は準備されてない。その結果、子ども自身が「もう学童は嫌だ」「友達と自由に遊びたい」と訴え、利用を控える家庭が増えることもあります。

 一方で、保護者としては、まだ一人で安全に放課後を過ごさせることに不安がある。ここに、子どもの“自立したい気持ち”と、親の“まだ見守っていたい気持ち”の間にズレが生まれやすくなるのです。


■社会や会社では、小3生は自立していると見なされる

 さらに、親の働き方にも影響が出ます。

 育児期の働き方支援として時短勤務制度がありますが、法律上(育児・介護休業法)は、「子どもが3歳になる誕生日の前日まで」が義務化されています。

 一方で、近年は、企業の自助努力により小学生まで延長できる職場も増えつつあります。それでも、小3ごろにはフルタイム勤務へ戻ることを求められるケースも多く、仕事上の責任も増している場合が少なくありません。


 その結果、「学童が使いにくくなる時期」と「親が仕事の手を緩めにくくなる時期」が重なり、小3ごろに改めて両立の難しさが噴き出してくるのです。



学びと成長の転換期を迎える

 「小3の壁」は、子ども自身が抱える問題があることを理解しましょう。


■学習面の転換期

 小学3年生頃は、子どもの学びと成長の面でも大きな転換期です。授業内容はそれまでより抽象的になり、算数や国語をはじめ、理解の深さが求められる場面が増えていきます。いわゆる「9歳の壁」とも重なる時期で、思考力や理解力、表現力の個人差が表れやすくなり、勉強についていける子とつまずく子の差が見え始めます。保護者にとっても「そろそろ塾や習い事を考えた方がいいのではないか」と感じ始める時期です。


 ここで重要なのは、単に勉強が難しくなるというだけではない点です。小3ごろは、子どもが“言われたことをこなす段階”から、“自分で考え、理解し、選び取っていく段階”へ移り始める時期でもあります。学びが受け身では成り立ちにくくなり、学習習慣、集中力、自己管理、わからないことをそのままにしない姿勢など、土台となる力が問われるようになります。


■子どもの心の転換期

 また、心の成長の面でも大きな変化があります。学校では友人関係がより複雑になり、自分と他者を比べる意識も強くなります。勉強、運動、性格、人気、持ち物など、さまざまなことで「自分はどう見られているのか」を気にし始めます。

 家庭では「もうお兄さん、お姉さんだから」と言われ、できることを期待される一方で、本当はまだ甘えたい気持ちもあります。学童は卒業したい、でも一人は不安。勉強は頑張りたい、でも難しくて自信をなくす。そうした揺れを抱えやすいのが、この時期の子どもたちです。


 つまり、小3は「手が離れる時期」ではなく、「関わり方を変える時期」だと言えます。低学年の頃のように隣で一つひとつ手をかける支援から、子どもの自立を促しながら、必要な時にはしっかり支える支援へと移行していく必要があります。だからこそ、放課後の居場所や、安心して相談できる大人、学びを支える環境の質が、これまで以上に重要になるのです。


 しかし、共働き家庭では送迎や時間の確保が難しく、必要性を感じながらも十分な教育機会や体験機会を用意できないことがあります。親としては、子どもの成長に合わせて環境を整えたい。それでも現実には時間にも体力にも限界がある。このギャップが「小3の壁」をより深いものにしていきます。



小3のマミーギルト

 「小1のマミーギルト」とは全く異なる「小3のマミーギルト」を、正しく理解し、対応が必要です。


■子どもとの関わり方が複雑かつ難しくなる

 「マミーギルト(mummy guilt)」については、コラム「小1の壁」でも触れましたが、「小3の壁」においても母親を中心に生じやすい罪悪感の問題です。

 「小1の壁」では、“預け先をどうするか”が中心課題でしたが、「小3の壁」では、“放課後の質をどう担保するか”が大きな課題になります。ただ安全に過ごせればよいのではなく、宿題、学習習慣、習い事、友人関係、メディア利用、自宅での過ごし方まで含めて考えなければならなくなるのです。


 そのため、小3のマミーギルトは、より“見えにくく、深く、長く続く”傾向があります。例えば、

「もう少し勉強を見てあげるべきではないか」

「一人で過ごす時間が長すぎるのではないか」

「動画やゲームに頼る時間が増えてしまっているのではないか」

「習い事や体験の機会が足りていないのではないか」

「友達関係や心の変化に、もっと気づいてあげるべきではないか」

といった形で、教育や成長機会、心のケアに関する罪悪感へと変わっていきます。


■仕事との両立の悩み

 さらに厄介なのは、この時期の母親は、家庭だけでなく職場でも責任が増しやすいことです。


 子どもが少し大きくなったことで、周囲からは「もう育児は落ち着いたでしょう」と見られ、仕事ではより高い成果や役割を求められるようになります。

 しかし現実には、子どもへの関わりが不要になったわけではなく、むしろ“見えない支援”がより多く必要になっている。

 ここに、周囲の期待と実際の負担の大きなギャップがあります。


■正解のない子育てについての判断

 そして小3のマミーギルトは、単なる感情の問題にとどまりません。


 塾や習い事を増やすかどうか、働き方を見直すかどうか、留守番の時間つぶしのために子どもにスマホやタブレットをどこまで許容するかなど、日々の小さな判断の一つひとつに影響を及ぼします。

 正解が見えにくいからこそ、母親は「これでよかったのか」と自分を責めやすくなるのです。



まとめ

 「小3の壁」とは、子どもの成長によって手が離れるように見える一方で、実際にはより複雑で質の高い支援が必要になるにもかかわらず、その受け皿が足りないことで生じる壁です。


 それは、放課後の過ごし方が、単なる見守りの時間から、学び、自立、自己肯定感を育む時間へと変わっていく節目でもあります。「小1の壁」ほど目に見えやすくはありませんが、放課後の居場所、学習支援、習い事への接続、送迎、そして子どもの変化に寄り添える大人の存在が、これまで以上に求められます。子どもは小3になると急に大人になるわけではありません。だからこそ社会の支援も、“預かる”だけで終わらず、“育ちを支える”段階へ進化する必要があります。


 「小3の壁」とは、「小1の壁」を越えた家庭に次に訪れる、静かな壁です。しかし、静かだからこそ見過ごされやすく、気づいたときには親も子どもも疲れ切っていることがあります。解決には、低学年向けの預かり支援だけでなく、中学年以降にふさわしい放課後環境を整えることが必要です。最近では、子どものメンタルサポートスタッフを配置する学童施設や、忙しい親に変わって習い事の送迎や見守りを支援するサービスなど、専門的なサポートを受けられる環境も少しずつ増えています。


 「小3の壁」を家庭の工夫や我慢だけで埋めようとしないこと。学校や学童、民間サービスも含めて、各家庭の事情に合う支援がないかを探してみてください。そして何より、“もう3年生だから大丈夫”と決めつけず、この時期ならではの揺れは難しさがあることを、社会全体で理解していくことが大切です。「小1の壁」同様に、「小3の壁」もまた、家庭だけでなく、社会みんなで低くしていくべき壁なのです。


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​​本コラムへのご意見や子育てで気になっていることなどがありましたら、以下から頂戴できればと思います。



保育・教育コラム | 著者について


山寄 一徳(やまよせ かずのり)

・子育て支援事業「Weskii Lab」代表

・いしかわ保育・教育アドバイザー


現在、インタナショナル保育園、インターナショナルアフタースクール、放課後学童を運営しています。

また約10年間、ヨーロッパ諸国やアメリカシリコンバレーに海外赴任し、さまざまな育児・教育制度のもとで、幼児期から小学生期までの子育てを経験してきました。

そうした実体験をもとに、「仕事と子育ての両立」や「AI時代の保育・教育」といったテーマについて、さまざまな視点から自身の想いや考えをコラムとして発信します。子育て世代の皆さまにとって少しでも参考になる情報をお届けできれば幸いです。


さらに、セミナーや講演会などを通じた社会貢献活動にも取り組んでおりますので、お気軽にお声かけください。

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